
転職は逃げでも甘えでもない!後悔しない判断基準と転職成功のコツ
この記事では、転職をためらってしまう心理的障壁を取り除き、前向きに一歩を踏み出すためのヒントをお伝えします。客観的に自分の状況を見つめ直すヒントから、スムーズな転職のコツまで分かりやすく網羅しているので、ぜひ参考にしてください。
「転職は逃げ」は本当に正しい?
転職は「逃げ」だと否定的に捉えられがちですが、それは本当に正しい考え方なのでしょうか。
確かに、目先の嫌なことから目をそらすためだけの転職は良くないかもしれません。例えば「嫌いな人がいるから」「仕事が単調でおもしろくないから」といった理由の場合、仮に転職をしても同じ理由で転職をしたくなるリスクが高いため、安易な決断は避けたほうが賢明でしょう。
しかし、キャリアアップや環境改善を目的とした前向きな転職まで「逃げ」とするのは適切ではありません。こうした理由の場合、転職をせずにいることで、人生の可能性を狭めてしまいます。
「逃げ」という言葉に惑わされず、転職の本質を見極めることが大切です。
逃げずに我慢し続けるリスク
日本社会では我慢強さを美徳とする風潮がありますが、職場で無理に耐え続けるのはリスクが高い行為です。
「辞めたい」と感じている以上、その職場が居心地の良い環境でないことは明らかです。職場環境・人間関係・待遇など原因はさまざまですが、程度によっては大きなストレスを抱えることになりかねません。
過度なストレスは、心身の健康を損なう大きな原因となるものです。これは決して軽視できる問題ではなく、将来にわたって深刻な影響を及ぼすような心身のトラブルを抱えるケースも珍しくありません。
我慢には限界があることを認識し、適切なタイミングで環境を変える「逃げ出す勇気」も必要といえるでしょう。
いますぐ転職を!逃げるべき状況
中には、逃げや甘えについて考えるまでもなく、直ちに転職を考えなければならない状況も存在します。以下、具体的な状況について解説します。
ハラスメントを受けている
パワハラ・セクハラ・モラハラなどのハラスメントを受けている場合は、できるだけ早めに退社できるよう、今すぐにでも転職活動を始めましょう。
ハラスメントの加害者は、基本的に目上の相手。逆らいにくい関係性が事態を深刻化させやすく、被害者側の心を容赦なく追い詰めます。
対処法としては、相手のさらに上役や、相談窓口への相談がセオリーですが、会社のスタンスによってはうやむやにされてしまうことも。加害者や会社の姿勢次第では、被害が深刻化する可能性もゼロではありません。
JobQでは、「職場で暴言を受けたのですが、転職すべきでしょうか?」との質問に対し、以下のような回答が寄せられました。
入社間もなければ仕事も覚えたてで、わからないことはたくさんありますよね。1年目は特に怒られたり、理不尽なことを言われる場面が多いと思います。転職=逃げというのは、決してそんなことはありません。
将来のキャリアも踏まえて考えて、今の会社に魅力を感じないのであれば、転職したほうがいいです。~以下略~
ハラスメントの被害者となってしまったら、自分の尊厳を守るためにも、毅然とした態度を心がけながら専門家に相談するのがおすすめです。あわせて転職も視野に入れていきましょう。
違法行為やコンプラ違反が行われている
違法行為やコンプライアンス違反が横行する職場にいると、自分も巻き込まれるリスクがあります。
正義感に基づいて内部告発することも考えられますが、自身の身の安全を最優先に考えましょう。違法行為への加担を強要されるようなら、自分の身を守るためにも即刻転職を決断すべきです。
長時間労働など心身の健康に不安がある
長時間労働や過酷な勤務体制で心身の健康に黄信号がともったら、転職を考えるべきサインです。
仕事のために健康を損ねるのは本末転倒。たとえ長時間労働による健康被害が認められ、いくばくかの補償を得られたとしても、かつての健康を取り戻せるとは限りません。
JobQに寄せられた「新卒で毎日終電で辛いのですが転職は逃げですか?アドバイスください。」との質問には、次のような回答が寄せられています。
新卒の時に比べると転職活動の難易度は上がる可能性ありますが、実際に転職活動されていい条件の会社に内定もらえれば転職すれば(もしくはその時にどうするか考えれば)いいと思います。
健康に勝る財産はないと考え、一刻も早く健全な職場環境への転職を目指しましょう。
引用:新卒で毎日終電で辛いのですが転職は逃げですか?アドバイスください。
正当な評価や待遇を受けられない
頑張り続けているにもかかわらず、正当な評価や待遇を受けられない状況では、前向きに仕事へ取り組むことは困難です。
前向きに仕事へ取り組めない状況では、キャリアアップも望めません。勤務先の状況が以下に該当する場合、転職を選択肢に入れるのが正解といえるでしょう。
- 昇給や昇格の基準があいまい
- 明らかに不当な評価を受けている
- 待遇に不満があり、モチベーションを維持できない
こうしたケースでは、やりがいと成長を感じられる環境を求め、転職活動を始めるのがおすすめです。
会社の業績悪化や将来性に不安がある
会社の業績が悪化し、先行きの不透明さに不安を感じたら、早急に転職を決断するべきタイミングです。
業績の悪化が深刻化し、リストラの可能性やボーナスカットなどが行われた場合、生活にも悪い影響が出てきてしまいます。その時点で転職活動を始めても、内定を急ぐことで不本意な転職となる可能性が否定できません。
自社の業績に不安を感じたら、早めに情報収集し、将来性のある企業への転職活動を始めましょう。
後悔するかも?転職を思いとどまったほうがよい状況
直ちに転職を決断すべき状況がある一方で、転職を思いとどまるべき状況も存在します。ここでは、実際に転職をした場合、後悔するリスクが高い状況を3つ紹介します。
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▶︎「退職しなければよかった…」と後悔しないための5つの確認事項や対処方を紹介
原因に改善の余地がある
勤務先そのものに愛着があり、転職したい理由についても改善の余地があるのなら、急いで転職をする必要はありません。
例えば、転職を考える理由が上司との関係にある場合、異動や配置転換によってガラリと環境が変わる可能性があるからです。
もちろん、耐えられない状況であれば転職がベストですが、転職待ったなしの状況でないのなら、選択肢の一つに留め、状況改善に努めるのがおすすめです。
感情的になっている自覚がある
誰であれ、転職を思い立った瞬間は感情的になっているものです。「もう無理だ」「辞めてやる」と、その場の勢いで退職を申し出る人もゼロではありません。
しかし、一時の感情に流されての決断は、後悔に繋がりやすいのもまた事実。衝動的に「もう辞める!」と決めつけず、冷静に自分の状況を見つめ直すことが大切です。その場の感情だけで判断するのではなく、客観的に転職の是非を検討しましょう。
感情的になっていると自分では思わないものの、客観的に見ると冷静さを失っている場面も多くあります。JobQに寄せられた「転職を考えています、こんな理由での転職はやはりお先も真っ暗でしょうか?」との質問では、焦っている質問者の本心が垣間見えます。主な回答は以下の通りでした。
転職する際には現状で業績不振になっているタイミングではなく、好調な際にフラットにご判断いただいた方が宜しいかと思います。面接官から「逃げの転職」といった印象を受けてしまった場合、高い評価を頂くことは難しいかと思います。
目先のことばかりに意識が向かっていると、つい後ろ向きに物事を捉えがちになります。感情的になりそうな時は、特に中長期的な視点で捉え直してみることをおすすめします。
今後の見通しが立っていない
転職後のキャリアプランがまだ描けていないなら、転職は時期尚早かもしれません。漠然と「今より良い環境だろう」という期待だけでは、転職先で幻滅する恐れがあります。
転職を考えるにあたっては、事前に自己分析を進め、どんなキャリアを目指すのかをはっきりさせておくことが大切です。
「仕事から逃げたい」と思ったらまず実践したいこと
「仕事から逃げたい」と感じたとき、「転職したほうがよい気がするけれど、後悔しそうで決断できない」という人は少なくありません。冷静に今後を考えるためにも、すぐに実践できる対処法をチェックしていきましょう。
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▶︎【仕事から逃げたい】甘えではない!対処法や理由をご紹介
休暇を取得する
「仕事から逃げたい」と感じたら、溜まったストレスを発散するためにも、思い切って休暇を取得してみましょう。
心身ともにリフレッシュできる時間を確保することで、仕事への向き合い方も変わってくるはずです。冷静さを取り戻し、自分の気持ちや現状を見つめ直す中で、転職の必要性をより正しく判断できるでしょう。
なお、有給休暇は労働者の権利です。必要なタイミングでためらわずに取得してください。
ライフプランを見直す
「仕事から逃げたい」と感じたとき、忘れずに行いたいのが、ライフプランの見直しです。ネガティブな心理状態に陥っているときは、自然と目先のことにばかり目が向いてしまいがちです。
しかし、今この瞬間は、長いライフプランの一部に過ぎません。一時の感情でライフプランを崩してしまっては、のちのち後悔する可能性が高いでしょう。
「現状を変えたい」気持ちが強いタイミングだからこそ、ライフプランを見直し、進むべき道を再度明確にするのがおすすめです。その上で転職が必要だと判断したのなら、もう迷う必要はありません。
信頼できる人に相談する
仕事上の悩みを抱え、「逃げたいけれど、本当にそれでいいのか決断できない」というときは、信頼できる友人や先輩に相談してみるのがおすすめです。
問題の渦中にいない第三者は、当事者とはまったく違った視点から問題を見ることができます。新たな角度から問題の解決策をアドバイスしてもらえるかもしれません。
また、第三者への悩み相談を通じ、自分の内面を言語化することは、自分自身の気持ちや思考の整理にも役立ちます。これまで気付かなかった自分の本音に気付いた結果、あっさりと迷いが消え去る可能性も考えられるでしょう。
スムーズに転職を成功させるには
いざ転職を決意したら、いったい何から始めるのが正解なのでしょうか。ここでは、スムーズに転職を成功させるための秘訣を紹介します。
在職中から転職活動を始める
転職を決意したとたん、職場に退職の意思を伝える人もいますが、これはあまりおすすめできません。
というのも、転職活動は必ずしもスムーズに進むとは限らないからです。万が一、転職活動が長期化してしまった場合、収入のない状態では生活そのものが危うくなってしまいます。
焦って不本意な転職をしないためにも、転職活動は在職中から始め、ある程度の結果が得られるまで会社には明かさないのが正解です。
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退職理由と転職理由は分けて考える
転職を行う際は理由を整理するのが重要ですが、退職理由と転職理由は分けて考えましょう。退職理由は過去の問題点の総括、転職理由は新天地で実現したい未来の希望です。面接でも異なる切り口で伝える必要があります。
例えば、人間関係が原因で退職をする場合、転職理由まで「人間関係」をベースにした回答にしてしまうと、面接官に「人間関係がうまくいかなかったらまた辞めてしまうのかも」との印象を与えかねません。
そのため仮に後ろ向きな理由で退職を決断したとしても、転職理由は「新しい環境で経験を生かしたい」など、あくまで前向きな転職であることをアピールすることが大切です。
転職活動は一気に行う
複数の企業に同時に応募し、選択肢を広げておくのが転職活動の鉄則です。
1社ずつ順番に応募し、それぞれ結果を待ってから次の会社に応募するといった進め方は、転職活動が長期化しやすいためおすすめできません。加えてこの方法では、複数社を比較検討することができず、最適な転職先であるかを見極めるのが難しくなります。
人生の重大な転機だからこそ、転職活動には一定のしたたかさが必要。「内定をいくつかいただいた上で最良の選択をする」といったスタンスで進めるのがおすすめです。
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プロの力を借りる
転職をスムーズに進めるのなら、プロの力を借りる方法も選択肢の一つです。
例えば転職エージェントに相談すれば、希望条件に合う求人の紹介から書類添削・面接対策まで、全面的なサポートを受けられます。経験豊富なキャリアアドバイザーに伴走してもらうことで、安心して効率的かつスムーズな転職活動ができるでしょう。
自分に合った転職エージェントを見つけ、強力なパートナーとしてサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
転職を「逃げ」や「甘え」だというイメージに囚われないで
「転職は逃げだ」「甘えるな」などと決めつける必要はありません。むしろ、そうしたイメージに惑わされることなく、客観的に自分の状況を見極めることが肝心です。
正当な理由があれば、思い切って転職に踏み切るのも立派な選択。新しいキャリアへのチャレンジは、あなたの人生をより豊かにしてくれるでしょう。自分の心と丁寧に向き合って、後悔のない選択をしてくださいね。
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