
SPI検査は何種類?試験内容の違いや難易度・対策方法を徹底解説
就職活動で密かに悩んでいる若者も多い「SPI検査」。この試験は、就職先の大企業やマスコミ、商社など、多くの企業が採用選考で利用することで知られています。しかし、どんな種類があるのか、難易度はどの程度なのか、対策方法はどうすればよいのか、正確に把握している人は決して多くはないでしょう。そこで、この記事ではSPI試験について詳しく解説します。SPI自体の種類や検査の種類、SPI以外のwebテストの種類など、受験者が抱える疑問に答える形で、SPI受験に必要なことについて解説します。
SPIテストは全部で3種類・違いを解説
SPIはリクルート社が開発し、実施を行っている適性検査で、これまで二度のバージョンアップを経て現在はSPI3となっています。
SPIはそれだけではなく、他にも様々な種類があり、大きく分けると以下の3種類となっています。
- SPI3-U
- SPI3-G
- SPI3-H
これらの種類について、それぞれの対象者や難易度について解説していきます。
SPI3-U
SPI3-Uは大学新卒向けの適性検査であり、就活や転職試験などで幅広く使用されます。出題の特徴として、領域や漸化式が多く出題されます。
領域問題には、2次方程式や関数の知識が必要であり、条件問題が含まれることもあります。漸化式問題は数列の問題であり、公式を覚えることが重要です。
難易度が低いものから高いものまで幅広く出題されるため、解答スピードが求められます。問題の難易度に応じて時間を適切に割り振ることは重要なポイントとなっています。
ただし、N進法・植木算に関する問題はSPI-Uの出題範囲に含まれないため、この点に関する対策は必要ありません。
SPI-Uの非言語問題は、通常言語問題よりも難しい傾向にあります。しかし、言語問題にも対策が必要であり、特に読解力の向上や語彙力の充実などが求められます。
言語と非言語の両方の出題内容を正確に把握し、対策に取り組むことが重要です。
SPI3-Uについては、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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SPI3-G
SPI-Gは中途採用向けのテストですが、就活生でも秋採用の選考時に受検しなければならない場合があるため、念のため特徴を覚えておくといいでしょう。
このテストは言語問題が少し難しく、反意語や文章の難解さがある点が特徴です。
また、必ず資料解釈の問題が出題されるため、対策を行う必要があります。資料解釈問題では、情報を正確に読み取り、表を活用して答える能力が求められます。
全体的には非言語問題の難易度は比較的易しいですが、問題数が多いためスピード感が求められます。素早く正確に解答することが非言語問題で高得点を取るポイントであり、スピードを優先して簡単なミスをしないように注意が必要です。
SPI3-H
SPI3-Hは、高卒採用向けの適性検査であり、ペーパーテスト(マークシート)とWebテスティングの2つの形式が提供されています。
企業はSPI3-Hの結果を面接結果とともに複数の観点から判断しています。
SPI3-Hの難易度は、他のSPI試験に比べて低く設定されていますが、それでも志願者は事前に対策を行う必要があります。
SPI3-Hは、求職者選考のプロセスで、従来の面接選考と併用され、自己PRにつながる自己責任能力などの能力を包括的に判断することができるため、企業は高校生の人物像を複数の観点から判断可能です。
このことから、SPI3-Hは高卒採用において重要なツールの一つとなっています。
SPIで出題される検査の種類
SPIの出題形式は、「性格検査」と「能力検査」に大別されます。SPIには様々な種類があると前述しましたが、ここでは大学新卒者向けの「SPI3-U」をメインに、出題形式の解説を行います。
性格検査
性格検査は、約300問の問題で構成され、選択肢の中から回答を選ぶ形式で行われます。このテストでは、行動的側面、意欲的側面、情緒的側面、ライスケール(虚偽性)の4つの観点から性格を測定します。
特に、ライスケールでは回答の一貫性が重要であり、この結果によって企業側から応募者の信頼性や誠実さが判断されます。性格検査は、面接による評価を補完するために利用されます。
企業は、面接中に応募者の業務適性や性格的側面を確認しようとしますが、虚偽や虚栄を見抜くことは簡単ではありません。そのため、性格検査は重要な役割を果たします。
性格検査に対する対策として、最も重要なのは「企業研究」です。性格検査は正答が存在しないため、問題集の解答だけでは不十分です。
応募者は、企業の文化や求める人物像を理解し、矛盾のない回答をしなければなりません。また、制限時間は30分となっているため、あまり細かい点にこだわることなく、自然な回答を心がけることが大切です。
SPIの性格検査については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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能力検査
能力検査には以下の科目があります。
- 言語問題
- 非言語問題
- 英語能力検査
- 構造的把握力検査
それぞれの出題内容がどのようなものであるか、解説していきます。
言語問題
言語問題では以下の表にあるような問題が出題されます。
項目 | 特徴 |
二語関係 | 表示された2つの語句間にある関係を検討し、同じ関係性を持つ選択肢を選ぶ問題 |
語句の意味 | 例文と同じ意味を持つ熟語を選択する問題 |
語句の用法 | 例と構造が近い文を選択する問題 |
文の並べ替え | 複数の文を合理的な順番に並べ替えて、意味が通るようにする問題 |
空欄補充 | 指定された選択肢の中から、例文中の空欄に適したものを選ぶ問題 |
長文読解 | 長文中の( )部分を埋めたり、内容に関する質問に回答したりする問題 |
言語問題は、ペーパーテスト版では40問を30分で、テストセンターとWEBテスト版では言語・非言語合わせて35分の制限時間となっています。
SPIの言語問題については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
非言語問題
非言語問題では以下の表にあるような問題が出題されます。
項目 | 特徴 |
推論 | 「命題」「正誤」「対戦」「順序」「位置関係」「打ち分け」「平均」「%」のような出題方法があり、すべて問題は、例題や説明文を読み、一部の情報を用いて論理的に推測する問題 |
順列・組み合わせ、確率 | 順列・組み合わせ:複数の情報から、何通りもの並び順や組み合わせを選ぶ問題 確率:与えられた条件に従って、確率を予測する問題 |
割合と比 | 指定条件に応じた割合及び比比率について回答する問題 |
損益算 | 規定の状況下で、原価や定価、割引率などを使用して損益計算を行う問題 |
料金割引 | 指定された割引条件によって、客数を算出し、売り上げや金額の差異を計算する問題 |
仕事算 | 特定の条件下で仕事を終了するまでに必要な日数を算出する問題 |
代金清算 | 特定の状況下で、請求合計を計算する問題 |
速度算 | 与えられた速度や状況に基づいて、到達時間を算出する問題 |
集合 | 分類された全体の中から、指定された基準に該当するアイテムまたは人数をカウントする問題 |
非言語問題は、ペーパーテスト版では30問を40分で解答します。
SPIの非言語問題については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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英語能力検査
英語能力検査では以下の表にあるような問題が出題されます。
項目 | 特徴 |
語彙力 | 選択肢から、問題文に示された単語と同じ意味の単語を選ぶ問題 |
穴埋め | 空白部分に必要な単語を選ぶことで、間違いのない英文を構成する問題 |
長文読解 | 文の構成要素を認識し、最も適切な要約を選択する問題 |
英語能力検査は、ペーパーテスト版では45問を30分で、テストセンターでは20分間の解答時間が設けられています。WEBテスト版では英語能力検査を実施していません。
この検査はSPIのオプション検査であり、実施の有無は企業により異なります。
SPIの英語能力検査については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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構造的把握力検査
構造的把握力検査では以下の表にあるような問題が出題されます。
項目 | 特徴 |
言語系 | 与えられた5つの文章を、論理関係に基づいてグループ分けする問題 |
非言語系 | 文章の計算構造が類似しているものをグループ化する問題 |
構造的把握力検査は、テストセンター受検の場合のみ実施されます。解答時間は20分間で出題数は回答状況により変わります。この検査は、英語能力検査と同じく、応募企業により実施の有無が異なります。
SPIの構造的把握力検査については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
【要対策】SPI以外のテスト種類を紹介
企業が実施する適性検査はSPIだけではありません。ここからは、SPI以外の主要な適性検査として、以下の4種類を紹介していきます。
- 玉手箱
- GAB
- CAB
- TG-WEB
玉手箱
玉手箱は、自宅で受験できるWEB適性検査であり、多くの企業が利用しています。この検査は、能力テストと性格テストの2つのパートから構成されています。
能力テストでは、計数、言語、英語などのパターンがあり、50から100問程度の問題数が設定されています。玉手箱は、幅広い出題範囲を持ち、言語、英語、計算、数学、性格といった多岐にわたる分野が含まれます。
問題は、簡単なものから難しいものまで用意されており、高得点を獲得するには十分な対策が必要です。
多くの問題数があり、素早い解答が求められるため、時間をかけて難しい問題に悩むよりも、確実に解答できる問題を見つけて進めることが重要です。
高得点を狙うためには正確な解答を急いで進めることが必要であり、そのためにも、問題を取りこぼさないように注意することが重要です。
玉手箱については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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GAB
GABは、日本エス・エイチ・エルが提供する適性検査であり、商社や金融、コンサル業界での新卒総合職の採用に使用されることが多いです。
この適性検査は論理的思考力を測るために開発され、言語理解と計数理解の知的能力科目とパーソナリティ科目から構成されています。
言語理解は長文読解に基づくテストであり、計数理解は表などから答えを計算するテストです。
また、パーソナリティの科目では「OPQ」と呼ばれるテストが使用され、受検者の人柄や性格を評価することができます。
GABには3つの受検方式があり、企業で受ける「GAB」、テストセンターで受ける「C-GAB」、自宅で受ける「Web-GAB」の3つが存在します。
この適性検査は、他の適性検査に比べて難易度が高く、特に論理的思考力が求められます。
問題数に対して十分な時間が設けられておらず、1問あたり1分未満で解答する必要があり、正確さとスピードが重視されます。
GABについては、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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CAB
CABは金融や商社、証券、総研など様々な企業で使用される適性検査であり、専門的な難問やひらめきが必要な問題も多く含まれています。
また、処理速度が重要であり、暗算や片側性、命令表、暗号、性格診断などが出題されます。
特に、エンジニアやプログラマなどIT職に就きたい場合、CABは頻繁に使用される適性テストの一つです。
CABは基本的にペーパーテストが行われますが、Webテストもあり、制限時間は短く難易度が高いのが特徴です。出題範囲は他の適性検査とほとんど重ならないため、専門性の高い対策が求められます。
具体的には、暗算や規則性、命令表、暗号などについて事前にしっかりと対策を行う必要があります。
CABが用いられる企業は幅広く、エンジニアやプログラマだけでなく、IT業界全般で必要となるスキルや思考力を問うものとなっています。そのため、CABに臨む際は冷静かつ正確に解答することが求められます。
CABについては、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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TG-WEB
TG-WEBは、SPIや玉手箱に比べてマイナーなテストではありますが、金融系企業や外資系企業で用いられることが多く、Webテストの中でも難易度が高いテストとして知られています。
TG-WEBには、計数・言語・英語・性格テストの4分野がありますが、その中でも問題形式には読解問題、計数分野の図形問題、推論問題などが含まれます。
読解問題では、文章を並べ替えて段落を作る問題が出題されます。計数分野の図形問題では、立体的な模様とその展開図の相関関係を解く問題が出題されます。推論問題では、嘘つきを特定する問題などが出題されます。
これらの問題形式はそれぞれ難易度が高く、初見殺しと言われるほど厳しいものです。
しかし、過去の適性検査の問題を解いたり、過去の問題の傾向から予想される問題に対して対策をすることで、TG-WEBでの対策ができます。
就活生は、TG-WEBが採用選考の前段階である企業選考において出題される可能性が高いことから、入念な準備を行い受験に臨むことが推奨されます。
TG-WEBについては、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
SPIの種類に関するよくある質問
ここからは、SPIの種類に関して、よくある以下の質問に答えていきます。
- Webテストの種類の見分け方は?
- 試験の種類によって受験方式は違う?
どちらの内容も、対策をとるためにも必要な情報のため、覚えておくとよいでしょう。
Webテストの種類の見分け方は?
本記事で紹介したWebテストの見分け方の一つとして、企業から送られてきたログインURLで見分ける方法があります。
以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
Webテストの種類 | URL |
SPI | http://arorua.net/ |
玉手箱 | https://web1.e-exams.jp/ https://web2.e-exams.jp/ https://web3.e-exams.jp/ https://tsvs1.e-exams2.jp/ https://tsvs2.e-exams2.jp/ https://tsvs3.e-exams2.jp/ https://nsvs1.e-exams4.jp/ https://nsvs2.e-exams4.jp/ |
GAB | http://assessment.c-personal.com/ http://assessment.e-gitest.com/ |
CAB | ※玉手箱と同じ |
TG-WEB | http://assessment.c-personal.com/ http://assessment.e-gitest.com/ https://www.c-personal.com/ |
URL以外での見分け方としては、応募企業の口コミサイトから、WEBテストの体験談を探したり、OB訪問をして先輩から直接聞いたりするなどの方法もあります。
Webテストの見分け方については、以下の記事でも紹介しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
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試験の種類によって受験方式は違う?
受検方式は検査の種類によって異なります。SPIを例に見ていきましょう。
以下の表では、SPIの4つの受検方式について解説しています。
同じ種類の検査であっても、受検方式にこれだけのバリエーションがあり、実施のタイミングも異なるため、しっかりと調べておく必要があります。
受検方法 | 特徴 |
ペーパーテスト | 選考に応募した企業が指定する会場で受検する、マークシートの受検方式。 面接と同日に実施する企業も多く、まれに抜き打ちで実施する企業もあるため、面接に行く際には念のため鉛筆や消しゴムを持参していくこと。 |
テストセンター | SPIを開発したリクルートが全国の主要都市に用意したテストセンター会場で、パソコンを用いて能力検査を受検する方式。 自宅パソコンから受検できるオンライン会場もある。 性格検査は検査の仮予約をしたあと、自宅のパソコンで受けておく必要がある。 |
Webテスティング | 自宅や学校など、インターネット環境とパソコンがあれば、自由な場所で受検できる方式で、テストセンターのオンライン会場とは異なる。 指定の期間内であれば、好きなタイミングで受検を行えるため、十分な対策を取りやすい。ただし、スマートフォンは使用できない。 |
インハウスCBT | 応募先の企業に用意されたパソコンを用いて受検する方式。 マイナーな方式だが、受検の結果がすぐにわかるという理由から、実施する企業もまれにある。 ペーパーテスト同様、抜き打ちで実施される可能性もあるため、面接までに対策を取っておきたい。 |
SPIは種類も検査項目によって適切な対策を!
この記事では、SPI検査の種類とその違いについて解説しました。SPI-GやSPI-Uなど、その種類によって出題範囲や難易度が異なります。
また、SPI以外にも企業が使用するWEBテストがあり、その種類を把握することで対策が立てやすくなります。
WEBテストの種類は企業からの案内メールのURLや口コミで見分けることができますので、それを確認して適切な対策を取りましょう。適性検査は企業の採用に直結する重要な試験です。しっかりと対策を立て、選考を突破しましょう。
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