
【佐賀県佐賀市×男女共同参画】市長自ら育児休業を取得!ジェンダー平等に取り組む佐賀市に注目
『佐賀市』について中野子さんに取材!男女共同参画の取り組みについて、気になるポイントをお聞きしました。
男女共同参画の観点から『佐賀市』に注目!
JobQではSDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」の視点から、男女共同参画に取り組む自治体を取材していきます。
今回ご紹介するのは、『佐賀市』。
「一人ひとりが輝くダイバーシティ社会の実現」に向けて、男女共同参画のさまざまな取り組みを行っています。
それでは『佐賀市』の男女共同参画の取り組みについて、佐賀市 男女共同参画課 中野子さんに詳しくインタビューをしていきます!
市長自らが育児休業を取得し、重要性について発信!
編集部
『佐賀市』では男女共同参画の社会づくりに向けて、どのような取り組みをしていますか?
中野子さん
『佐賀市』は2007年に、佐賀市男女共同参画を推進する条例を制定しました。
同年に「第一次佐賀市男女共同参画計画」を策定。
計画は5年ごとに見直しており、現在は第4次計画を推進中です。
第4次計画では、「一人ひとりが輝くダイバーシティ社会(性別や国籍、年齢、障がいなどに関わりなく、多様な人がそれぞれの個性や能力を発揮できる社会)の実現」をめざしています。
また、本市の坂井市長は令和3年12月の第2子誕生に伴い、計2週間分の「育児休業」を約4か月かけて取得しました。
市長は自ら育休を取得した経験から、産後、母親の心身が不安定な時期に父親が育児・家事へ関わることの大切さを発信し続けています。
市職員の男性育休取得率も、令和2年度に34.5%だったものが令和4年度は68.6%まで格段にのびました。
今後もさまざまな事業を展開し、ジェンダー平等による一人ひとりが輝くダイバーシティ社会の実現に向けて、固定的役割分担意識の壁を打ち破っていきます。
『佐賀市』が行う男女共同参画の具体的な取り組みとは?
編集部
第4次男女共同参画計画では、具体的にはどのような活動を行っているのでしょうか?
中野子さん
現在取り組んでいる第4次男女共同参画計画では、「防災・政治分野における女性活躍推進」、「家庭における男女共同参画推進」、「ワーク・ライフ・バランス推進」の3つを重点的な取り組みとして掲げています。
「防災・政治分野における女性活躍推進」では、令和4年度に「もっと政治に女性の意見を!政治参画推進セミナー」を開催しました。
ゲストは本市の市議会議員(定数36人)の女性議員全員(令和3年10月の改選により、女性の議員が3人から6人に倍増)を招きました。
質疑の時間では高校生から「クォータ制についてどう考えるか」という質問に、ゲスト各々からの回答があり、政治分野での男女共同参画について会場全体での考えが深まりましたね。
「家庭における男女共同参画推進」の取り組みの中で特徴的なのは、昨年度から開催している「パパ座談会」でしょうか。
パパたちがグループに分かれ、家事や育児などの困りごとや日々の本音、弱音を出し合います。
結果、育児や家事、介護、夫婦間のコミュニケーションなど、皆同じような不安や悩みを抱えていることが分かりました。
このような取り組みが、家庭内での夫婦の家事共有につながり、ひいては家族が1(ワン)チームになるきっかけづくりになればと思っています。
このほか全国に例を見ない特徴的な事業として、佐賀市発「パートナーデー」があります。
2月14日のバレンタインデーや3月14日のホワイトデーにちなんで、4月14日を「パートナーデー」と制定。
性別や年齢にかかわらず、家庭、職場、学校、地域などでお世話になっている人に感謝の気持ちを伝える日としており、今年で26年目になります。
男らしさや女らしさにとらわれず、誰もがお互いの個性と能力を認め合う、まさに一人ひとりが輝くダイバーシティ社会を実現するための取り組みです。
昨年から、障がいのある作家さんがデザインしたメッセージカードを市民にご活用いただいています。
男女共同参画の取り組みに対する市民の反応は?
編集部
「男女共同参画」の取り組みを行って、市民からはどのような反響がありましたか?
中野子さん
講座や体験に関するアンケートを見ると、男女共同参画が浸透していると実感できる反応もあります。
一方で依然として「我が家は家事分担がない」「男だから~、女だから~というできごとがあった」などの声があるのも現状です。
私たちの役目は、市民意識をジェンダー平等に導いていくことだと思います。
知識を積み重ねることで、長い生活環境の中で染みついた固定的性別役割分担意識を少しずつ取り除けたらと考えています。
若い人たちが「女性だから、男性だから」という理由で、憧れの職業や生き方をあきらめることがないような社会に近づけていきたいです。
根底にある「性別役割」に関する無意識の思い込みを消していくために
編集部
「男女共同参画」に関する取り組みで、今後の展望があればお答えください。
中野子さん
まだ人々の根底には、固定的性別役割分担意識があります。
長時間労働を中心とした労働慣行や、女性への家事・育児などの無償労働時間の偏りが改善できていません。
これが改善できないと、女性のキャリア形成は妨げられたままです。
まずは無意識のうちに偏ったものの見方(アンコンシャス・バイアス)を持っていることへ気づいてもらうこと。
そして性別や国籍、年齢、障がいなどに関わりなく、誰もがその個性や能力を発揮できる社会を目指して、企業の経営者層や学校など教育現場での理解促進を図っていきたいと思います。
また今年度は「女性のための交流会~私のロールモデルを見つけよう!~」を企画しています。
さまざまなカタチで自分らしく働き、キャリアを積んでいる佐賀にゆかりのある方をゲストとしてお招きする予定です。
さまざまな考え方や生き方、働き方に触れていただき、それぞれの“いいとこどり”をして、自分らしく働き暮らしていくためのヒントを持ち帰っていただきたいと思っています。
まとめ
取材を終えて、市長自らがロールモデルとなりながら男女共同参画に取り組んでいるのが印象的だと思いました。
取り組みについて詳しく知りたい方は、『佐賀市』をぜひチェックしてみてください。
佐賀市
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