
マネジメント職になるための必要な、役に立つマネジメント資格とは
マネジメントになるために資格は必要なのでしょうか?そもそもマネジメントとは経営・管理・経営力・経営学などの知識が必要になる職業です。あまりマネジメントに必要な資格について、聞きなれない方も多いのではないでしょうか?今回はマネジメント職にオススメな資格についてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。
マネジメントとは
「資格」の話の前に「マネジメント」とは、いったい何を指すのか考えてみましょう。
英語の「management」を和訳すると、経営、管理、経営力、経営の方法、経営学、経営陣、経営者側、となります。
経営という行為及びその方法・行為者を指すようです。
「マネジメント」は、アメリカの経営学者P.F.ドラッカーが生み出した概念で、著書の中でマネジメントを、「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」と定義しています。
※P.F.ドラッカー「明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命」ダイヤモンド社(1999年)
これらの定義を分かりやすくかみくだくと、以下のようになります。
▶︎マネジメント
ある組織の、組織された目的に即して、その目標を達成させるためのシステム・行為・方法・道具・知識・人材などトータルを指すもの
ここで、JobQに寄せられたマネジメント職についての質問を紹介いたします。
Q. 理系からマネジメント職への就職は可能でしょうか?
私は現在高校3年生です。
テレビや雑誌などのエンタメ業界で将来働きたいと思っています。
今理系で芸術工学を学ぶ大学に進みたいと思っていますが、そこは音楽業界の就職はできるのでしょうか・・・。
やっぱり文系の方が有利でしょうか。どのような事をしていれば就職しやすいでしょうか。
理系でもマネージメントとか企画とかの部署に行けるのでしょうか?
門外漢ですが、業界の人間に友人がいるので回答します。
まず結論を申し上げれば「問題ない」と言えると思います。
特に日本の企業であれば、それなりの大学を出て就職をして、そこで業務を覚えて専門性を身に付ける…というのが一般的でしょう。
しかも質問者様の志望されている専攻分野は、ちゃんとつながっていそうな印象を受けます。
またリスクヘッジという意味でも、個人的には御両親のご意見は妥当なものであると感じます。
(その気になれば大学卒業後に専門学校へ行くことも出来ますしね。逆は少々大変ですが。)
上記を踏まえ、実際に就職を念頭に大学生活でやるべきことですが。
まず、いの一番は学業に専念し結果を出しておくことです。
上位何名、というやつですね。もちろん首席卒業がベストです。
ここできちっと実績を残せる、というのは将来大きな財産になります。
ただ是非、ご自分で音楽をやってみる。あるいは、ライブやイベントを企画しPAなどもやってみる。
そういったことをお勧めします。
大学のサークルでも良いですし、あるいは外部の団体に所属する手もありますね。
質問者様が挙げられていることは、何れもアマチュアとして経験可能なことですから。
受験勉強は大変だと思いますが、頑張って下さいね。
このような回答を頂きました。
マネジメント職に興味がある方は、ぜひ他の回答もご覧ください。
マネジメントになるための資格とは
では「マネジメントの資格」とは一体何でしょう。
「マネジメント」の定義で述べた、「経営という行為およびその方法・行為者」になるための資格だけではなさそうです。
「マネジメント」を行う上に役に立つ資格という意味で、包括的にさまざまなカテゴリーが設定されています。
「マネジメント」資格にはどんなものがあるのか、その一部を紹介します。
最初に、最も行く知られていて一般的な「会計・経営・労務関係」の資格を挙げてみます。
-
国家資格
- 公認会計士
- 税理士
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
-
公的資格
- 簿記検定
- 建設業計理士
- ビジネス会計検定試験®
- メンタルヘルス
- マネジメント®検定3
-
民間資格
- IPO実務検定
- 財務報告実務検定
などがあります。
マネジメントに資格は必要
管理職やマネジメント(経営者)になるために必須である資格は特にありません。
ただ、マネジメントをする上で役立つ資格が存在することから、マネジメントには資格が必要であるとも言えるでしょう。
とはいえ、マネジメントの資格を取ったからといって、管理職や経営者になれるわけでもありません。
まず自分の属する組織が行う事業や職務に対する技能・スキルを上げていかなければなりません。
スキルや経験が初心者・新入社員レベルの場合
技能や経験や知識が組織における初心者や新入者レベルでは、管理者や経営者にはなるケースは少ないでしょう。
技能や経験や知識レベルが、ある程度のレベルに達したと組織に判断されてこそ、管理者や経営者としての資格の基礎が整うのです。
しかし技能や経験や知識だけでは管理者や経営者にはなれません。
その上に様々な能力や知見が層をなすように必要とされてきます。
・コミュニケーション力
・人間を見抜く眼
・上役や部下の心を掴む力
・判断力
・決断力
・ネゴシエーション力
・人を巻き込む力
・予測力
このようにマネジメントには、さまざまな能力と経験が必要になります。
マネジメントに関する資格を取得することで、そのような知識を身に付けることができるでしょう。
初心者、新入社員であったとしてもマネジメントの資格の勉強をする意義はあると言えるでしょう。
中堅社員レベルの場合
中堅レベルともなれば、マネジメントの機会も増えてくるでしょう。
部全体をマネジメントをする場合もあれば、少人数のチームを動かしていく場合もあり、そのためにはマネジメントの知識や経験が必要となります。
マネジメントに関する資格を取得しておくことで、実践で応用できることも多いので、取得して無駄になることはありません。
最低限の努力は必須
管理者や経営者になるための最低限の努力は、自分の技能や経験や知識がある程度のレベルに到達することです。
こうしたことは、組織人の基礎であると言えるでしょう。
これがなければ管理者や経営者はともかく、組織人として失格になる可能性もあります。
この技能や経験や知識レベルを磨くために資格所得が役に立つのです。
やらないよりはやったほうが何倍も自分自身の内部への蓄積が大きくなります。
また自己研鑽が自分を鍛え磨いてくれます。
ビジネスマネジメントの資格
資格には、国家資格だけではなく公的・民間含め多くの資格があります。
その中で、管理者や経営者というマネジメントが持つべき資格として、ビジネスマネジメント資格というものがあります。
管理職になるための基礎をつくるための資格であり、これから管理職・経営者を目指す人達にとっては、この資格取得はかなり効果的です。
ビジネスマネジメント資格を取ると、ビジネスにおけるさまざまな資源・資産・リスクなどを管理、最適化するための専門知識を得ることができます。
現在、以下の資格があります。
1.ビジネスマネージメント認定試験
2.ストレスケアマネージメント
3.ロジカルシンキングマスター
4.論理的思考インストラクター
5.ビジネスマネジャー検定
6.プロジェクトマネジメント資格
この中で、ビジネスマネジャー検定、プロジェクトマネジメント資格について詳しく内容を伝えたいと思います。
ビジネスマネジャー検定
管理職(マネジャー)は、企業の経営と社員を結びつける役割を持っています。
経営から出される経営ビジョンや事業戦略の伝達・波及、経営や事業部門が策定する事業戦略や営業目標の遂行や進行管理、そして社員や部署のモチベーションの維持・向上、社員や部署内の円滑なコミュニケ―ション環境作り、そして人材育成まで、 管理職が企業内で最も重要な役割を担っている、と言っても良いかもしれません。
中間管理職を見ればその会社の将来性が解るという人も居ます。
管理職(マネジャー)の役割は統括するチームの成果を出すことそのものです。
ビジネスマネジャー検定試験はそのために必要な知識を大きく2つのカテゴリーに分けて学習できるように整理しています。
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コミュニケーションや人材育成
- チームビルディングなどを学ぶ「人と組織のマネジメント」
- 事業管理や課題に応じた戦略の立案などを学ぶ「業務のマネジメント」
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リスク管理やコンプライアンス
- メンタルヘルスやハラスメントの職場管理を学ぶ「リスクのマネジメント」
※ 東京商工会議所及び各地商工会議所が主催機関で、年2回(7月・11月)検定試験実施。
プロジェクトマネジメント資格
プロジェクトマネジメントは、ここ10年で人気の資格となっています。
この資格がないと職務ができないわけではないのですが、世界に通用する知識・考え方を身に着けることで、どんな国、どんな地域でも通用する知識と考え方で職務を遂行することができるものです。
ITだけではなく、モノづくりを含めたマネジメントについて、知識・思考を体系化したのがプロジェクトマネジメントです。
プロジェクトマネジメントは、日本、米国、欧州で世界標準となる体系を持つ団体があります。 それぞれの団体がプロジェクトマネジメントの力量を証明する資格を持っています。 プロジェクトマネジメントの資格は、日本では大きく3つに分けられます。
すべて、知識体系を確立する所から始められています。
その知識体系を理解し、資格の特性を踏まえてから資格取得を検討してみてください。
PMP®(Project Management Professional)試験
米国の非営利団体Project Management Institute (PMI) が主催し、プロジェクトマネジメント資格で最も有名なものです。
これはPMBOK(Project Management Body of Knowledge)という知識体系が基本とになり、日本ではPMI日本支部が主催しています。
IPA(プロジェクトマネージャー試験)
情報系に特化したプロジェクトマネジメントの資格で、IPA(情報処理推進機構)が行う試験です。
システム開発におけるプロジェクトの責任者としてプロデューサー的機能を担い、プロジェクトを計画を立案し、必要なリソース(人、モノ、カネ、情報)を整え、予算・納期・品質を目標通り達成するために、プロジェクトを管理する人のための国家試験です。
IPA(情報処理推進機構)は、PMIのように研修修了を受験のための資格としていません。自分自身の選択によって独学や予備校での学習によっても受験が可能です。
PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)試験
特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が提言した「プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック(※)」は、世界各国のプロジェクトマネジメント協会の体系内容を分析し、2001年に資格制度を開始しました。
プロジェクトマネジメントの資格中では製造業向きといえます。
※Program & Project Management for Enterprise Innovation (P2M標準ガイドブック) この資格制度の最大の特長は、PMC(初級)・PMS(基本)・PMR(応用)というランクがあることです。
PMC(Project Management Coordinator)資格試験
受験資格は特にありませんが、
- PMAJが認定する教育機関
- PMAJによるPMC講座を修了
- PMAJによるPMS講座の受講が修了
そのいずれか受験には必要です。
PMCの試験はCBT試験(コンピュータを利用して実施する試験方式)で、50問の問題を四肢択一により解答します。
PMS(Project Management Specialist)資格試験
受験資格は、PMC資格登録者、或は受験要領に定めるPM関連資格保有者と幅広いものです。
PMSに合格することで、初めてプロジェクトマネジメント全体の知識を習得できるのです。
初心者向きのPMCでは、複数のプロジェクトマネジメントを統括するプログラムマネジメントが抜けています。
コンピュータを利用して実施する試験方式はプロジェクトマネジメントと、複数のプロジェクトマネジメントを統括するプログラムマネジメントという両方の能力を試されます。
PMR資格試験
PMRはPMSの上に位置付けられる資格です。
PMR資格試験は、P2Mの実践力を認定する試験で、論文・ワークショップで行われ、試験は一次・二次で行われます。
IPAでは、PMRはITSS(※)レベル6に認定されています。PMPやPMSがITSSレベル4なので、プロジェクトマネジメントの資格では、PMRが最高ランクになっているといえます。
※ITSS(IT Skill Standard)は、経済産業省が策定したIT人材のスキル体系
マネジメントの資格の難易度とは
マネジメントに必要とされる資格には様々ありますが、
それぞれの資格取得にかかる時間や試験の難しさに差があります。
会計関係の資格
公認会計士は、国家資格で非常に難しい資格です。
最高難易度といってよいかもしれません。
税理士も国家資格で最高難易度に当たります。
これらの資格を取得すれば、独立して事業を始められる貴重な資格です。
簿記検定は公的資格になります。簿記検定2級から4級まであり、級によって難易度が異なります。
建設業計理士も公的資格で、低から高難易度。
ビジネス会計検定試験®も公的資格で、低から中難易度。
しかしこの資格だけで独立するのは難しく、一般には企業や団体に所属して能力を発揮するのが普通です。
社会保険労務士は国家資格で、やや高難易度。
中小企業診断士は国家資格で、高難易度。
独立して事務所を構えるか、企業や団体に所属するか、さまざまな活かし方があります。
最後に
いかがでしたでしょうか?
マネジメント(管理職や経営者)になれる資格は残念ながらありません。
しかしマネジメント(管理職や経営者)に役に立つ資格はさまざまあります。
会計士や税理士といった国家資格も、独立して事業を行うことができますが、それだけでは事業が成立しません。
長い時間をかけて行政書士の資格を取ったはよいけれど、得意先を持ちません。
ネットで受注を狙ったが、仕事は半年に1回しか来ないという話もあります。
得意先を開拓しながら実績を積み、そして自分自身の得意先ができるというのが実態です。
管理職や経営者も、日常の業務をこなし、それが評価され、
それまでの経験がこれからの仕事の踏み台になり、その日常が上司や周囲に評価され、
自然と管理職や経営者に押されていくというのが普通のあり方です。
自分が成り上がるのではなく、あくまで周りがなってくれと乞われのが、日本の企業の特徴で、
「俺は将来社長になる」と言い続けて社長になった人はあまり見られません。
資格はその日常の自分を作る礎になるのです。
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