【仕事の引き継ぎの基本とは】スマートな引き継ぎに必要なことなど

退職や異動の際には、後任者に業務を引き継ぐ必要があります。しかし引継ぎを受ける側の6割は、前任者からの引継ぎに不満を持っているという結果も出ています。

では、引継ぎをスムーズに行うルールやコツはあるのでしょうか。

仕事の引継ぎがわからない人が多数

「仕事の引継ぎをすることになったが何を準備したらよいのか」
「1か月間の引継ぎ期間があるが何をしたらいいの？」
など、引継ぎをすることになってから戸惑っている人もいるようです。

引継ぎをする際には何をいつ引き継ぐのかというスケジュールが必要になります。引継ぎをする側とされる側双方が予定を合わせながらすり合わせていく必要があります。

仕事の引継ぎができない不安

仕事の引継ぎができないと、後任者に不安を与えることになります。

「前任者がいなくなった後わからないことがあったらどうしよう」という不安はつきもので、特に前任者が退職してしまう場合にはその不安は大きくなります。

そのため、退職後も確認や見直しができるよう、引継ぎ内容はデータや紙体で保管しておくことが最近のルールとなっています。

仕事を適当につき継いでしまった場合、トラブルを招く可能性があります。

社内でどうにかフォローしあえるのならいいのですが、そうでない場合は取り返しがつかなくなってしまいます。もれなく引継ぎを完了させるために、どのようにして引継ぎを行っていくのが良いのでしょうか。

仕事の引継ぎはメール！？エクセル！？

仕事の引継ぎはメールではなくエクセルやワードなどで保存しておくことが一般的です。

メールだと紛失してしまう危険性や、他のメールでサーバーがいっぱいになり削除されてしまうこともあります。

エクセルなどで引継ぎ事項を残すことにより、社内で情報を共有できたり、後継者が異動や退職する際に利用できたりするので、良いことづくめです。

仕事の引継ぎマニュアルについて

仕事の引継ぎマニュアルは、できるだけ丁寧に、誰が見てもわかるように記載する必要があります。

「こんなことはわかるだろう」と飛ばしてしまった情報が実は重要だったなどということはよくあることです。

そのため新入社員が見てもわかるであろう容易な言葉で、分かりにくいと思われる部分は写真なども付けて丁寧に説明を入れると良いでしょう。
 

ここで、JobQで投稿された、引継ぎに関連した質問も併せて見てみましょう。

異動や、会社を辞める時、引き継ぎは一生懸命しますか？

異動や、会社を辞める時、引き継ぎは一生懸命しますか？最近転職しました。

前任者から引き継ぎを受けているのですが、ひどいです。

ドキュメントはチープだし、業務によってはそのドキュメントすらなく、口述で引き継ぎを受けています。

その前任者は、辞める予定なのですが、辞めるとなっては、もう後のことはどうでもいいんでしょうけど・・・すいません。

ほとんど愚痴でした。

私の個人的感想です。これは個人の問題ではなく、組織的な課題かなと思います。

そもそも、退職や異動等だけでなく、交通事故等の突発事象により急に人がいなくなるリスクはどの組織にもある話で、そうした場合でも業務遂行できるようマニュアル化などの対応を進めるのは、組織的な課題だからです。

ベンチャーなどは…続きを見る

会社の都合や退職者のタイミングによって引継ぎを行う期間は異なります。

では仕事の引継ぎを行うにあたり、必要或いは十分な期間はどのくらいなのでしょうか。

仕事の引継ぎが間に合わない！？

あなたが仕事を覚えるまでにどのくらいかかりましたか？
引継ぎには意外と時間がかかります。

「1週間で引継ぎ」等といわれる場合、よほど用意周到に準備をしていないかぎり時間が足りなくなってしまいます。

引継ぎ時間が十分にとれないと、前任者が退職あるいは異動した後も電話で質問をしているという状態になりかねません。

仕事の引継ぎの平均期間について

では一般的に引継ぎにはどのくらいの期間を要するのでしょうか。

実際、退職する場合には退職日の2週間前に通達すればよいとされています。
そのため引継ぎには最低2週間は確保することができます。

しかしながら多くの会社では2週間での引継ぎでは不十分と考え、引継ぎ期間を見込んで退職日の1か月前に退職の連絡を入れることが一般的です。

経理職や総務などでは1か月サイクルで回ってくる定期的な仕事があることを考えると、引継ぎには1～2か月ほどを要すると考えていいでしょう。

実は引継ぎを受ける側にとっても、仕事を引き継ぐことには不安がつきものです。

「前任者がいなくなった後問題が起こったらどうしよう」「わからないことが出てきたらどうしたらいいのかな」など、引継ぎ後の業務に不安を抱えているケースが多いようです。

仕事を引き継ぐときに必要な業務引継書の作り方

この後任者の不安を少しでも和らげるため「業務引継書」を作成すると良いでしょう。

業務引継書では業務や作業のつながりを明確にし、必要な連絡先を明記しておきます。

また、手順などはマニュアル化しておくと良く、後任者に渡すだけでなくしっかりと読み合わせをして、わからない部分についてしっかりすり合わせをしておきましょう。

仕事を引き継ぐ際の問題点について

仕事の引継ぎを行う際に最も多いのは「引継漏れ」です。
引継ぎをしたと思っていたのにうっかり伝え忘れていたなどということはよくあります。

そのような場合には当事者だけでなく上司も一緒に引継に立ち会ったり、マインドマップなどを利用して漏れを防ぐという方法が効果的です。

また、後任者が前任者がいなくなった後にやり方を変えてしまい、取引先で混乱が生じたということもあります。

ファイル名の付け方ひとつについても前任者と取引先の間で合意が生じている可能性もあります。

現在の状態に至った形を併せて説明したり、取引先との関係性や相手の好みなどについても必要があれば引継ぎしておくと良いでしょう。

新人に仕事を引継ぐ際の心構えについて

新人に仕事を引き継ぐ場合にはかなりの時間がかかることを覚悟してください。

それは「社内ルール」「社内共通語」等がないに等しいため、そのような基礎的情報から伝えていく必要があるためです。

特に新入社員に業務を引き継ぐ際には「社会人としての常識」も併せて引継ぎしなければならないケースもあります。

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退職してしまう人にとっては「退職した後はこの仕事や会社とも関係ない」とおざなりに引継ぎしていく人もいます。

しかしながら、効率的に、ミスを少なく引継ぎをすることによって後々のトラブルを避けることもできます。

ミスを少なくするための仕事の引継ぎテクニック

引継ぎ漏れを防ぐためにマインドマップなどのツールを利用することはすでに紹介しました。このマインドマップの良いところは、業務間の関係性などについても図示できる点です。

またわからないことがあったら自分以外の誰に相談したらよいのかという点を教えてあげておくと、何かあっても後任者が自分で対応できるようになります。

効率的な仕事の引継ぎにはコツがある

効率的に仕事を引き継ぐためには、しっかりと前任者と後任者が予定を合わせながら時間を共有していく必要があります。

しかし最も重要なのは普段仕事をするときから「手順書」や「マニュアル」を作成しておくことです。自分のためだけでなく引継ぎの際にも役に立ちますので、ぜひ普段から「手順を残すこと」を意識してみてください。

引継ぎ準備の時間も減らせますし、自分が休みを取った場合にも他の人に仕事を任せやすいなど、メリットがあります。

自分がいざ引継ぎをする立場になると短い時間の中で、「あれもこれも」とたくさんの内容を後任者に伝える必要があることが分かるでしょう。

しかし口頭で伝えると「記憶にない」、伝えたはずなのに「そのような引継ぎは受けていない」といわれてしまう可能性があります。

そうなると自分にとっても後任者にとっても、ひいては会社にとってもマイナスです。

ぜひポイントを押さえながら後任者が困らないよう引継ぎをしてみてください。
立つ鳥跡を濁さずというように「あの人はいい人だったな」といってもらえると、引継ぎは成功といえるでしょう。