ボーナス70万円の手取りはいくら？額面から引かれる税金や計算方法まで解説

ボーナスは支給額が全額もらえるわけではなく、各種保険料や所得税を控除した金額が手取りとなります。

ボーナスが70万円支給された時、実際に受け取る金額はいくらなのでしょうか。

※単位（円）

額面が70万円、月の給与が35万円（社会保険料控除後）、扶養人数を0人として計算すると39歳以下は536,456円、40歳以上は530,856円となりました。

実際には居住地や扶養人数によって変動しますが、目安として参考にしてみてください。

扶養人数別｜ボーナス70万円の手取り額

扶養人数によってどれぐらい手取り金額が変わるのか見てみましょう。

39歳以下の場合、扶養人数が1人なら548,529円、2人・3人なら560,602円が手取り額の目安です。40歳以上の場合は扶養人数が1人なら542,929円、2人・3人なら555,002円が目安となります。

基本的には扶養人数が増えるにつれて税率は低下するため、手取り額は増加していきます。なお、16歳未満の子どもは控除対象の扶養親族に含まれないので注意が必要です。

賞与が合計2ヶ月も出ない企業はあまり利益がでていない？

ボーナスは月の給与2ヶ月分という算出方法が一般的ですが、それを下回る企業も少なくありません。JobQに寄せられたQAを見てみましょう。

賞与が合計2ヶ月も出ない企業はあまり利益がでていないってことでしょうか。

会社の賞与の考え方によります。
例えば、ベンチャーだと...続きを見る

ボーナスから控除される主な項目について見ていきましょう。控除されるのは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料（40歳以上）といった社会保険料と、所得税です。

介護保険料は40歳未満の人からは徴収されないため、同じ条件であれば40歳以上の人の方が介護保険料が徴収される分手取り額が減るのが一般的です。

ボーナス70万円の健康保険料

参照 : 全国保健協会 令和6年度保険料額表

健康保険料の控除額は標準賞与額と加入している保険料率によって決まります。

控除される健康保険料：
標準賞与額×保険料率×1/2
700,000円×9.98%×1/2＝34,930円

標準賞与額は賞与の額面額の1,000円未満を切り捨てた金額です。70万500円が額面の場合、標準賞与額は500円を切り捨てて70万円になります。

保険料率は加入している保険組合や居住地によって変わります。上記で例として挙げた保険料率は全国健康保険協会の東京都の金額です。保険料率は毎年改訂されるので、最新のもので計算しましょう。

会社員の場合、健康保険料は会社と折半しているため、実際に支払う金額は「標準賞与額×保険料率×1/2」の金額です。

参考：標準報酬月額・標準賞与額とは？ | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

ボーナス70万円の厚生年金保険料

参考 : 日本年金機構

厚生年金保険料の控除額の計算方法も、基本的には健康保険料と同じです。

控除される健康保険料：
標準賞与額×保険料率（18.30%）×1/2
700,000円×18.30%×1/2＝64,050円

保険料率は18.30%で固定されています。健康保険料のように居住地によって変わることはありません。

参考：厚生年金保険の保険料｜日本年金機構

ボーナス70万円の雇用保険料

参考 : 厚生労働省 雇用保険料率について

雇用保険料は標準賞与額ではなく、ボーナスの額面金額に雇用保険料率を掛けて計算します。

控除される雇用保険料：
 ボーナスの金額 × 雇用保険料率
700,000円×0.6%＝4,200円

保険料は労使折半ではなく、決められた労働者の負担率を掛けた金額が控除されます。

ボーナス70万円の介護保険料

参照 : 全国保健協会 令和6年度保険料額表

介護保険料は40歳以上65歳未満の人が対象です。

控除される介護保険料：
標準賞与額 × （介護保険料率×1/2）
700,000円×1.60%×0.5＝5,600円

2024年度の場合、介護保険料率は1.60％です。労使折半のため実際は標準賞与額に0.8％掛けた金額が控除されます。

なお、介護保険料率も毎年変わるため、最新の保険料率を確認しておくことが大切です。

ボーナス70万円の所得税

賞与からは所得税が源泉徴収されます。源泉所得税の金額は以下の式で計算可能です。

所得税 : (ボーナスの金額 - ボーナスにかかる社会保険料の合計額) × 源泉徴収税率
(700,000円 - 108,780)×10.21%＝60,364円
※源泉徴収税率は扶養人数0人の場合

ボーナスの源泉徴収率は、前月の給与の額から社会保険料を引いた金額が基準になって決まります。扶養人数によって税率が変わる仕組みです。

参照 : 国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表（令和 6 年分）

夏・冬のボーナスが70万円だった場合、平均と比較して多いのでしょうか？それとも少ないのでしょうか？

ここからはさまざまな平均値と比較して、ボーナス70万円が多いか少ないか解説していきます。

男女別の平均ボーナス額

参照 : 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査

ボーナス70万円（年140万円）と上記表の平均ボーナス額（年額）を比べてみましょう。

女性の場合は平均より約100万円多い金額で、男性の場合は約50万円多いです。

男女合わせた数字と比べても70万円ほど高いです。

年代・学歴別の平均ボーナス額

参照 : 令和5年賃金構造基本統計調査
※年間賞与その他特別給与額、企業規模10人以上

年代・学歴別のボーナス額とボーナス70万円（年140万円）を比較してみましょう。

院卒の場合、25～29歳の金額約99万円と比較すると約40万円多い金額です。

大卒の場合と比較すると40~44歳の金額が約135万円、45〜49歳の金額が約156万円なので40代でボーナス70万円に到達するのが一般的と言えます。

高専・短大卒の場合、一番金額が高い40代後半の平均額121万円よりも約20万円高い金額になります。専門学校・高卒では55～59歳の金額が93~102万円と一番高いですが、140万円には40万円ほど届きません。

企業規模別の平均ボーナス額

参照 : 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査

企業規模別に比較すると、ボーナス70万円（年140万円）は平均賞与が一番高い従業員数5,000人以上の企業と比較しても約35万円多い金額となります。

業種別の平均ボーナス額

参照 : 国税庁 令和4年民間給与実態統計調査

ボーナス額は業種によっても変わります。

金融・保険業、電気・ガス・熱供給・水道業は平均ボーナス額が140万円を超えるため、この二つの業種であれば平均的と言えます。

それ以外の業種ではいずれも平均ボーナス額が140万円以下であるため、これらの業種であれば平均よりも高いと言えるでしょう。

また全体の平均ボーナス金額72万円と比較すると倍近い金額であることがわかります。

ここからはボーナスに関するよくある疑問・質問を紹介します。

ベンチャーのボーナスは説明通りの額が支給される？

ベンチャー企業へ転職する際、事前の説明通りにボーナスは支給されるのでしょうか。JobQTownに、ベンチャー企業の賞与に関するQAが寄せられていましたのでご紹介します。

ベンチャーのボーナスは説明通りの額が支給されますか？

4月より、ベンチャー企業に転職します。
賞与は年間4ヵ月と口頭で言われました。
文書では、賞与あり、としか書いてありません。
本当に4ヵ月いただけるのでしょうか。

黒字が出ているのか次第です
そもそも赤字ならば出ないものなので

また、賞与は性質的に...続きを見る

どれくらいボーナスを貯金に回す？使い道は？

他の人のボーナスの使い道も気になる人が多いでしょう。どれくらい貯金に回し、どれくらいの金額を使っているのでしょうか？

dodaが社会人約15000人に行ったアンケート結果によると、約42％の人は半分以上の金額を貯金に回しているとのことでした。ただし、16.5％の人はまったく貯金していないと回答しています。

貯金以外では、20代30代の場合は旅行・レジャーや趣味にボーナスを使っている人が多いようです。40代・50代になると、旅行・レジャーに使う人も多い一方で、生活費の補填にあてる人も増えてきます。

参考：ボーナスの使い道ランキング【最新版】 貯金割合はどのくらい？ ｜転職ならdoda（デューダ）

上記のボーナス額一覧表は、扶養人数0人（40歳以上）の場合を想定しています。

手取り額は収入状況によって異なりますので、参考程度にご活用ください。