
育児休暇後に退職するときの注意点とは?マナーもご紹介します
育児休暇を取得した後に退職する際のマナーは何があるのでしょうか。こどもを保育園に入れることができなかったり、育児と家事の両立、育児休業給付金をもらった状態で退職することへの意見や失業保険について解説していきますので、育休を取得しているかたはぜひ本記事を参考にしてみてください。
育児休暇を取得した後に退職する人の理由
育児休暇は、本来は育児と仕事を両立するための制度ですが、取得した後に退職する人もたくさんいます。
一体どのような背景から退職という結論に辿り着いたのか、よくある3つのケースを紹介します。
その1.子どもを保育園に入れられなかった…
待機児童の問題は一時よりは落ち着いたものの、まだまだ人口集中都市では解決していません。
育休を延長しても保育園に入れずに退職してしまう方も少なくありませんし、無認可保育園には入れても、高い保育料のことを考えると仕事に復帰するメリットはないため、退職の道を選ぶことになるのです。
育児休暇を延長することについての詳しい説明は、下記リンクをご参考ください
▶︎【知っておくべき】育児休暇を延長させる方法を詳しく解説致します
その2.育児と仕事を両立する自信がない…
次のケースは、実際に育児をしてみて、仕事と両立する自信がなくなって退職するケースです。
育児休暇に入る前に予想していたより、育児が大変だったり、子供が病気になっても仕事場と家の距離が離れていると時間がかかったり、子どもが病気がちだったりと、人生は想像通りに行くものではありません。
特に責任感の強い人は、復帰することで余計な負担を周囲に掛けることを心配して退職を決意するようです。
その3.育児休暇明けの仕事が思ったより大変だった
育児休暇明けに仕事復帰をしてみたうえで、退職を選択するケースもあります。
育児休暇を長くとればとるほど、仕事のブランクが大きく、育児のこともあり仕事が大変に感じる傾向にあります。
慣れれば良いのですが、そうもいかない場合、体力的、精神的に辛くなり、退職することになります。
育児休暇についての詳しい説明は、下記リンクをご参考ください。
▶︎育児休暇とは?意外と知らない育休中のお得な情報もご紹介!
併せて、育児休暇と育児休業の違いについてもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
育児休暇中に退職するときのマナーとは
育児休暇の取得中に退職するケースについて、その方法やマナーについて紹介します。
子どもやご自身が体調不良になることは多い
育児休暇の最中の退職は、自責の念に駆られることもあると思います。
しかし、生まれて間もない子どもは、病気をしやすく育児が思ったより手がかかるという話は珍しい事ではありません。
またホルモンの変化から自身の体調不良を崩す人も多いので、仕方のない事なのです。
退職するならまず上司に伝える
退職を決意した際の手続きでは、まずは上司に退職の意向を伝えなければなりません。
いくら育休中でも、自分はその会社の社員である事には変わらないのですから、しっかりとマナーを守って報告することが大切です。
そのため、メールよりも電話、電話よりも直接出向いて伝える方が、誠意が伝わります。
そして退職が決まった後も、お世話になった職場の方へメールで挨拶を送るようにしましょう。
育児休業給付金はいつまでもらえる?
育児給付金の受給要件の一つは、育児休暇中である事です。
そのため、育児休暇中に退職するケースでは、退職イコール育児休暇の終了を意味するため、退職した時点で育児給付金の受給はストップします。
ただし、これまでもらった分については返納する必要はありません。
育児休暇後に退職するときのマナー
次に、育児休暇が終わって職場復帰した後に退職するケースについて紹介します。
育児と仕事の両立は大変
育児休暇に復帰した人たちのほとんどが、育児と仕事の両立の大変さに頭を悩ませています。
会社から自宅までの距離、保育園の場所、育児をサポートしてもらえる環境、仕事量など、その大変さは人それぞれです。
しかし、育児と仕事の両立の大変さはきっと周りの人も分かってくれるので、退職することも理解してくれるでしょう。
育児休暇後の退職は法的には問題ない
育児休暇は職場復帰が前提の休暇ですので、職場復帰間もない退職となると心苦しいだけでなく法律的に問題が生じないか気になると思います。
法律では、『子どもが1歳6か月を過ぎても引き続き雇用される見込みがある』ことが育児休暇取得の条件ですが、これはあくまで育児休暇取得時の話です。
育児休暇取得後の進退については特に法律的な定めがありませんので、退職しても法的な問題はありません。
退職する理由の伝え方
育休後に退職を伝える場合、心苦しさからどんな理由にすればいいのか画策する人もいるでしょう。
しかし、退職の理由は正直に育児と仕事の両立の辛さを伝えれば良いのです。
育児と仕事の両立の難しさはみんな理解しているので、無理やり理由をつける事はありません。
ただ、申し訳ないという思いを忘れずに、しっかり詫びるようにしましょう。
育児休業給付金をもらって退職してもいいの?
子育てと仕事の両立の大変さは理解できても、育児休暇を取得し育児休業給付金ももらったのに退職することに難色を示す人もいます。
次に賛成する人の意見と反対する人の意見を見ていきましょう。
賛成する意見
自分や配偶者が育児を経験した人は、育児休暇後の退職に対して好意的な意見を持つ傾向にあります。
そういった人から上がるのは、『何が起こるか分からないのが育児だから退職することになっても仕方ない』という意見です。
また他には『給付金をもらうのは正当な権利だ』、『復職の可能性が少しでもあれば、給付金をもらっても当然だ』など、育児休業給付金の受給を当然の権利を主張する声が寄せられています。
反対する意見
賛成する意見がある一方、育児と仕事の両立を頑張っている人や、経験のない人からは反対の意見があることも無視できません。
『育児休暇後に復帰すると言ってお金をもらったのに退職することは制度の不正利用だ』と考える人が多いからです。
同様に『マナー違反に他ならない』、『育児休暇後に仕事を続けている人もいるのに身勝手だ』と、人間性を否定するような心無い意見もあります。
育児休業給付金は多くの被保険者の保険金から出ているものなので、周囲の協力を無下にしないようできるだけ両立の道を模索するようにしましょう。
育児休暇後に退職したら失業保険はどうなるの?
育児休暇の取得後に退職した場合、肉体的には楽になっても収入面では不安が生まれると思います。
そこで、育児休暇後の退職のケースでの、失業保険について解説します。
育児に専念する場合は失業給付金はもらえない
育児休暇を取得して、育児休業給付金もらっていたにも関わらず、退職した場合であっても、ケースによっては失業給付金をもらうことは可能です。
しかし、育児に専念することを理由に退職する場合は、それは失業と認められないので給付金はもらえません。
働く意思が必要
失業給付金は、働ける環境にあり働きたいのに、仕事が見つからなくて働けない状態の人に対する給付金です。
もらうためには、ハローワークで求職表を提出して、就職活動をしている必要があります。
育児休暇の後に、ちゃんと就職活動をするであれば、働く意志があると認められて、給付金をもらうことが可能です。
JobQに育児休暇後のキャリアプランについての相談回答がありますので、こちらも併せて見てみましょう。
20代後半の女性が育児休暇後も正社員として働けるキャリアプランはありますか?
現在エステサロンの店舗責任者をしております27歳です。
将来的には今後結婚をし、育児休暇後も仕事をしたいと思っています。
しかし、現在のエステサロンは、土日休みは難しいです。
更に勤務時間が9時〜18時30分と、13時〜22時を日替わりで行います。また、貴社は時短勤務の契約社員はございません。
今のエステサロンで働き、育児休暇を頂いても、続けるのが難しい事が目に見えています。
ですが、30歳を過ぎてから、更に育児休暇後に転職活動は、とても難しいと聞きました。エステサロンは脱毛サロンで、入社して6年目です。
施術も行いますが、個人営業として新規のお客様にプランを販売します。成績は、2019年は12ヶ月中5ヶ月間は全国の店舗で一位ではありました。
しかし、昨年はコロナウィルにより、売上は並でございます。更に私は資格などがありません。
働きながら取るというのも考えております。年収は350万円程は頂けるお仕事を希望させて頂きます。
年齢も迫ってきており、かなり焦っております。私の知らないお仕事も沢山あるかと存じますので、お知恵を頂けましたら嬉しいです。よろしくお願い致します。
自分でしたら、個人営業の成績をメインにして営業での転職を行います。
20代後半であっても営業能力がありますので転職は十分可能です。
問題は業種ですが、…続きを見る
ハローワークに相談してみよう
育児休暇後に退職した場合は一度、ハローワークに相談すると良いでしょう。
育児を理由に離職したことで、特定理由離職者に認めてもらえれば、失業給付金がもらえる条件の雇用保険の加入期間が4年間まで遡ることができるようになります。
そのため、いったん育児に専念して数年後に就職活動を始める時に、失業給付金をもらえるようになるのです。
失業保険の手続きに関する詳細は以下記事よりご覧いただけます。
育児休暇を理由とした退職 まとめ
育児休暇を取得後に退職する人には、保育園に入れない、育児と仕事の両立が想像以上に大変など、さまざまな理由があります。
復職を前提にして育児休暇を取得したにも関わらず退職することに対しては、違法ではありませんが否定的な意見も多いです。
不測の事態が起きることは仕方のないことですが、できる限り両立の道を探り、辞める場合もマナーを守って退職するようにしましょう。
この記事の他、退職後の諸手続きや退職理由のその他の伝え方をみたい方は以下記事をご覧ください。
▶︎退職理由の選び方から伝え方まで
▷「体調不良」を退職理由とする
▷「人間関係」を退職理由とする
▷「介護」を退職理由とする
▷「上司と合わないこと」を退職理由とする
▷「一身上の都合」を退職理由とする
また、JobQでは転職に関する相談も受け付けておりますので、ぜひ下記リンクもご覧ください。
あらゆる疑問を匿名で質問できます
約90%の質問に回答が寄せられています。
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