自己PRには、応募先企業と自分がいかにマッチしているのかを伝える役割があります。
履歴書や職務経歴書、面接などで頻繁に求められるので、自己PR対策は欠かせません。
とはいえ、自分の魅力を上手に伝えられる自己PRの作り方がわからない人は多いことでしょう。
そこでこの記事では、自己PRの書き方や例文をご紹介していきます。
具体的には、下記についてまとめています。
・自己PRの書き方、作り方
・面接での自己PRの回答方法、NG例
・強み・長所別の自己PR例文
・業界・職種別の自己PR例文
最後まで読むことで、採用担当者に響く自己PRが作れ、選考の突破率を上げられることでしょう。ぜひ、お役立てください。
合格する自己PRを作成するには、「自己PRの目的」と「評価されるポイント」を知っておくことが必要です。
自己PRをどう書くかの方針を固めるためにも、まずは前提となる知識から押さえていきましょう。
自己PRは就職・転職活動において、選考中の面接や書類選考(職務経歴書)を通じて、「自分がその企業で活躍可能である」と伝える役割を持っています。
そもそも自己PRの「PR」とはPublicRelationsの略称であり、「あなたは企業のどの点に貢献するのか」「企業内であなたが果たす役割は何か」を表しています。
つまり自己PRでは、「企業側が求める人材像と自分が一致しているか」を確認しているのです。
そのため自己PRでは、企業側の求める人材像と自分が一致している旨を自身の経験やスキル、性格などから端的に伝えましょう。
自己PRを通して、人事・企業側が見るポイントは以下です。
1.自社で働き、活躍できそうか
2.どのような性格・人格か
3.コミュニケーションスキルはあるか
4.入社への熱意はあるか
先にも述べたように、自己PRの時間は「企業側が求める人材像と自分が一致している」旨を伝える場です。
そして、企業側が欲している人材は「自社で働けそうな人」ではなく、「自社で働き、活躍できそうな人」であるため、会社側がどのような人材を欲しているのかを事前に調べておきましょう。
また、「応募者の人となり」や「コミュニケーションスキル」も自己PRで確認されます。
入社への熱意の大きさは自己PRにおいて
・会社についてある程度詳細に調べているか
・会社でどのように働きたいのかを描けているか
から判断しています。
自己PRの書き方に悩む方は、以下のフォーマットを参考に自己PRを作成すると良いでしょう。
1.書き出しは結論から
2.背景を語る
3.締め(まとめ)
その上で1~3における注意点を踏まえながら自己PRを作成すれば、採用担当者に「採用したい」と思わせることが可能になるでしょう。
以下、1~3における注意点を解説していきます。
まず、書き出しは結論(アピールポイント)から述べましょう。
結論から述べることで履歴書やESの読み手や、面接における聞き手である面接官に理解しやすく伝えることが可能になります。
また、結論から述べることは自己PRや面接における質問に限ったことではありません。
ビジネスにおいては結論から述べ、相手を話の理解しやすい状態に持っていくことが基本です。
そのため、自己PRに限らずどの質問に対する回答においても結論から述べることを心がけましょう。
例)行動力をアピールする看護師の自己PRの回答例
私の強みは行動力です。
前職では◯年間看護師として勤務しておりました。
その中で得た私の強みは、患者様の求めているニーズを汲み取り、実行に移す行動力でした。
職種は異なりますが、この患者様のニーズを汲み取って実行に移す行動力は、御社の仕事でも活かすことができると考えています。
加えて、現場で働いていた経験があるため、御社の仕事へも適応しやすいと考えています。
書き出しにて結論を述べたままにしていては、その結論が独りよがりな主観的な考えによるものであるという印象を与える可能性があります。
そのため結論を述べた後は、結論の根拠となる背景や経験・エピソードを求めましょう。
また、背景や経験・エピソードには客観的な指標を用いることも重要です。
たとえば、「自身の長所が活かされた影響で営業の売り上げが◯%あがった」というように数字を用いると、結論の説得力が増します。
例)進行管理スキルをアピールする技術職の自己PRの回答例
X年間、前職にて技術職を務めてきた私が得た強みは「進行管理スキル」です。
前職では、20人のエンジニアチームのメンバーのマネジメントを行ってきました。
そのチームは、スキルに大きな差があったことが業務効率を下げていたため、私はチーム全体の底上げを図り、各メンバーの育成を続けました。
その結果、今までのX日かかっていた案件も、Y日で終わらせることが可能になりました。
この進行管理スキルは、御社の技術職でも活かすことができると考えています。
自己PR最後の締めの言葉は、面接官の心を「採用」へと押し出す役割を果たしているため非常に重要です。
そのため
・一生懸命努力します。
・精一杯頑張ります。
といったありふれた表現で締めるのではなく、
・入社後は〜な社員を目指します
・〜に対し〜し、御社の戦力になるよう努めます
・〜に貢献します
のように採用担当者にあなたの入社後の姿を想像させ、未来への希望を持たせる表現を心がけましょう。
そうすることで採用担当者の印象に残りやすくなり選考の通過、そして採用へとつながる可能性が高まります。
例)目標設定・達成スキルをアピールする営業職の回答例
X年間、前職にて営業職を務めてきた私が得た強みは「目標設定・達成スキル」です。
前職では、不動産販売の営業を担当しており、部署として月間の売り上げ目標が設定されていました。
私はその目標を達成すべく、個人で前年比150%の売り上げを目標として設定しました。
結果として、個人の目標が達成されると同時に、部署の月間売り上げも12カ月連続で達成することができました。
この目標設定・達成スキルは、御社の営業職でも活かし貢献できると考えています。
「自己PRの書き方がわからない」
「自分の長所がどこにあるのかわからない」
「短所ならすぐに思いつくのに…」
という悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか?
自己PRは、以下の5ステップで誰でも通過する自己PRを作成することが可能です。
1. キャリアの棚卸しを通じて、身についたスキルを明確化する
2. エピソードや表彰実績・数字を使って客観性を高める
3. 企業が求める人材像とすり合わせる
4. 「長所」と「短所」が明確になっているかどうかを確認する
5. 趣味をアピールするときは「人間性」を伝える
ここからは、それぞれのステップについて詳しく解説していきます。
まずは、自分がここまでしてきた仕事内容を棚卸ししましょう。
・経験してきた職種(営業、企画、広報、マーケティング、事務、etc...)
・どのような業務・プロジェクトを行ってきたのか
・仕事の規模感(部署やプロジェクトに関わったメンバーの人数)
・組織での立ち位置(マネジメント経験など)
ポイントは、事業における能力・経験(営業時の交渉力・開拓力)と、組織的な能力・経験(マネジメントスキルなど)の2軸で整理することです。
自身の強みを明確化させたら、客観性を持たせていきましょう。
職種や規模によって大きく異なりますが、たとえば営業職の場合は「法人向けの新規営業で月間XX件のアポイントを獲得。
社内の営業チームXX人の中で上位5%だった」のようになります。
マーケティング職であれば「LPのコンバージョン数がXX%改善した」といったように、
他社が聞いてイメージがつく形に修正することが重要です。
「交渉力」「開拓力」「仮説検証能力」など、1で洗い出した自身のスキル面に対して、裏打ちするような実績・成績などを書き出しましょう。
最後に、企業が求める人材像と自身のアピールポイントを摺り合わせるために、志望企業の採用要件を確認します。
企業の採用要件を理解していない状態で、あなたのアピールしたいポイントを過度にアピールしてしまうと、自己PRは一方通行的なものとなってしまいます。
その際、自己PRの役割である「企業側が求める人材像と自分が一致しているか」の確認ができなくなる上に、企業側に「企業分析を怠った」という誤解を与えてしまいます。
そのため、企業の採用要件を確認して、「企業のどのような点にあなたのアピールポイントが活かされるか」を明確にするといいでしょう。
自己PRでは、自分の長所と短所を明確にしておくことは非常に重要です。
なぜなら企業の採用担当者が、自分が企業の求める人材像に一致しているかどうかを判断する材料となるからです。
長所と短所は、以下4つのポイントに注意しながら選びましょう。
1.長所と短所はそれぞれ1つに絞り込む
2.長所は仕事に活かせるものを選ぶ
3.短所は採用リスクのあるものを選ばない
4.募集職種や社風に合った長所と短所を選ぶ
そして、選び出した長所と短所は客観的な意見を取り入れながら、履歴書等の書類や面接にて採用担当者に伝えます。
たとえば、「長所を活かして顧客からの信頼を得た」と述べるのではなく、「長所を活かして顧客からの信頼を得ることができ、リピーター率が◯%あがった」と具体的な数字や表彰内容を根拠に述べます。
このようにすることで、説得力のある自己PRができ、採用へとつながる可能性が高まるでしょう。
面接において趣味について聞かれたり、趣味を自己PRに用いる人もいるでしょう。
その場合は、趣味を通して仕事にも表れる応募者の人間性について伝えることを心がけましょう。
趣味を自己PRでアピールする際は
1.長所が伝わる趣味を選ぶ
2.趣味になった理由を伝える
3.趣味に関する経験やエピソードを入れる
4.簡潔にまとめる
の4点に注意して伝えると、採用担当者にとって理解しやすい自己PRとなります。
最後に面接に特化した自己PRの答え方と回答のNGポイントについてご紹介します。
面接において自己PRを答える際は以下の4点に注意しましょう。
1.ただの自慢にならないようにする
2.自己紹介との区別をつける
3.履歴書等と内容を揃える
4.自己PRは複数用意する
自己PRを長所のアピールの場であると勘違いしてしまうと、聞き手にとって自慢のように聞こえてしまう可能性があります。
一方で、自己紹介のように自分の長所を述べるだけの場であると勘違いしてしまうと、「質問の意図が読み取れていない」という誤解を与えたり、強みが面接官に伝わらず印象に残らなくなったりしてしまいます。
そのため自己PRの趣旨を理解した上で、面接では話す内容やエピソードを1つに絞って端的に述べましょう。
また、のけ反った姿勢ではなく、背筋をまっすぐ伸ばした姿勢で伝えることを心がけてください。
面接は履歴書を参考に行われることが一般的です。
履歴書に書いてある自己PRの内容と、面接での自己PRの内容が大きく異なってしまうと、アピールポイントに対する信憑性が欠けてしまいます。
そのため、面接では履歴書等の書類に記載した自己PRと内容をそろえることに注意してください。
さらに自己PRは、面接によって時間や求められる内容の濃さも変わってくるものです。
企業によって採用ニーズは異なるため、複数の自己PRを用意して、状況に応じて使い分けるといいでしょう。
自己PRは多くの場合、1~2分で述べるように言われます。
その限られた時間の中で自分の長所・強みをアピールし、「企業側の求める人材像と自分が一致している」旨を伝える必要があるのです。
対策として、事前に1分程度の内容にまとめたり、練習したりするのを徹底しましょう。
また1分程度の自己PRから、面接官は以下3点について確認しています。
・自己分析ができているか
・まとめる能力があるか
・どのような人物か
わかりやすく伝えるために、テーマを絞った上で簡潔に300文字程度でまとめておきましょう。
さらに、実際面接にて伝える際は
・結論から話す
・キーワードを決める
・入社後の姿をイメージさせる
を意識することでより良い自己PRとなるでしょう。
面接を成功させるためには質問を想定した事前準備が大切です。
その中でも気をつけたいのは限られた時間内で回答するパターンです。1分で自己PRを行うケースは多くありますから、
本番で慌てないようにポイントを押さえてしっかりと準備しましょう。
自己PRを通して面接官の好感を得るポイントは以下の通りです。
■話し方
・話す際の「えっと」「なんか」の癖はなくす
・「です」「ます」で言い切る
・指示語や曖昧な言葉は避ける
■態度・身だしなみ
・ゆっくりと大きな声で自信をもって伝える
・抑揚をつけ明るい表情で伝える
・背筋をまっすぐに伸ばした状態で話す
・身だしなみは清潔さを心がける
これらに気をつけて話すことで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
特に自己PRは「自分がその企業で活躍可能である」ことを伝えるため、話し方も自信のある話し方を心がけることが重要です。
ただし、自信が行き過ぎて自慢にならないように気をつけましょう。
面接において自己PRを述べる際のNGポイントは以下の3つです。
・客観性に欠けている
・アピールポイントが採用ニーズに反している
・アピールポイントが不明瞭である
これらは説得力と信憑性に欠けたり、伝えたいことが伝わらなくなったりする原因になるので気をつけてください。
各NGポイントに対しては、以下を心がけると改善されます。
・数字や表彰実績を挙げる
・企業分析と採用ニーズの確認を怠らない
・伝えたいテーマは1つに絞る
自己PRは就職・転職活動でのみ求められる訳ではありません。
高校入試や大学入試等でも必要とされており、面接においてよく聞かれる質問の1つになります。
また、各ジャンルにおいて書き方や伝え方は異なるため、その場に応じて伝え方を変える必要があります。
ここでは対象・ジャンル別の自己PRの書き方を例文とともにご紹介します。
まずは、学生向けの自己PRの書き方と例文を紹介します。
学生が直面する自己PRのシーンは、入試や新卒の就職活動、インターンの選考などです。
次に、転職活動の自己PRをパターン別、業界・職種別でご紹介します。
以下では、第二新卒(大学卒業後3年以内に転職を求む人)のパターンと未経験職種への転職をする
パターンについて述べた後、業界・職種別に自己PRをご紹介します。
転職サイトに登録する自己PRはどのように要点を絞って記述していくのがいいのでしょうか。
私自身、内容自体あるものの、どううまく書けばいいのか、わからず困っています。
まずPRしたいことを一文で書きます。
その後に理由、根拠を数行で書きます。
これを3〜5つくらい書く
とかで良いんじゃないでしょうか。
相手が読む気になるかどうかが大事なので、一文をキャッチーな感じが良いのかなと思っています。
上記の書き方で、転職活動を2回、10社以上に応募経験ありますが書類選考で落ちたことないですし、転職サイトも放ったらかしですが、割とオファーも来てますよ。
ユーザー名非公開2
前述の回答者様と近い内容になりますが、まずは箇条書きで3〜5つ程どんな経験があるかを...
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勤続年数が浅い転職をする場合、自己PRはどのようにすべきでしょうか?
現在、IT系の仕事をしていますが意外と通信機器やソフトに関する仕事というよりは他の部署や取引先との折衝、それに関係する事務処理の側面が強く、ミスマッチな感覚がだんだん大きくなっている日々です。
もう少しハード・ソフト系の仕事をするか、あるいはかねてより行きたいと思っていた公共交通系の会社へ転職するか考えています。
中途採用だけでなく、年齢的に第二新卒にも該当します。 しかし、勤続年数が浅いため現職での実績はありません。
このような場合の自己PRはどのような内容を話すべきなのでしょうか?
もう卒業しているので学生時代のことを話すのは違うと思いますし、かといって現職のことを話すには実績がありません。
第二新卒の期間中やそうでなくても入社して5年程?の期間に転職された方はどのように自己PRをされましたか?
経験された方、ご回答いただけたら幸いです。
ユーザー名非公開1
入社してからずっと社内ニートやったわけでもないのなら、今までやってきたことで強みになることを素直に言えばいいです。
そこから採用につながるポイントがあればポテンシャルがあるとして採用されます。
ちなみに第二新卒に定義があるわけではないですが、未経験で受け入れてくれるのは入社後3年以内になります。
入社後5年ならば即戦力としての採用が前提になります。
今まで得た経験と直結しない分野にチャレンジするのであれば、業務外で何らかの実績がないとやりたい気持ちだけでは厳しいです。
ユーザー名非公開2
仕事の実績というのは、要はその会社で何をしたかなので、普通に働いてい...
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